この記事は、2020年5月3日に配信された「トークラジオもちてんや#2」の内容を、筆者(気分中一)が読みやすく一部に編集を加えた上で書き起こしたものです。
※「トークラジオもちてんや」とは?
筆者のインターネット知り合いである、てんろー、Ya-1、もちきんの3人が、主にポケモンやデュエル・マスターズの様々なテーマについて語るラジオです。
現在はyoutubeで配信されています。
この記事の元の放送は下記リンクから視聴できます。
また、#1~#13までのアーカイブは下記から、
#14以降は下記から視聴できます。
この記事は「Pokemon LEGENDSアルセウス」発売前に書かれたものです。
発売後に改めて解釈について考えた記事は、下記をご覧ください。
前編(~エンディング後ボス撃破までの内容の振り返り)は下記から、
後編(サブ任務94~全てのポケモンと出会うまで、ウォロとコギトの話など)は下記からご覧いただけます。
どちらの回も、非常に充実した内容になっていますので、是非お聴きください。
・目次
- シンオウ神話は「周りがすごい」
- ホウエン神話とシンオウ神話
- シンオウなどでの世界の成り立ち、神話の成り立ち
- 各作品の神話と伝説のポケモン、ストーリー
- シント遺跡とアルセウス、シンオウ神話の終わり
- 「いぶんかのたてもの」がゲームの中にあるということ
- 「てんかいのふえ」と世界のはじまり
※公式名称については、なるべく初出では公式の通りに表記するようにしていますが、その後には漢字を使った表記や、一般的な略称などを用いています。
※このラジオはBDSP、ポケモンLEGENDSアルセウスの発売が発表される前に配信されたものです。
※内容にはポケモンシリーズのストーリーの他、通常のゲームプレイでは知り得ない情報などが含まれることがあります。ご了承ください。
1/10 22:01更新: 第三部(シンオウなどでの世界の成り立ち、神話の成り立ち)の最後に、編集で一度削除した部分を追記
1/13 更新:シント遺跡の動画を埋め込みに変更
シンオウ神話は「周りがすごい」
てんろー:
まあ、今回の話は僕のフォロワーの皆様ならご存じだと思うんですけど、一回話してるんですよね。全部話しちゃったんですよ。
Ya-1:
そう、で、話したやつをわざわざtogetterにまとめて。
てんろー:
で、あげたらtogetterの公式の人になんか推されちゃって。
【4/18】ポケモンオタク語りまとめ【シンオウ神話、XYメタ解釈、イッシュ神話、ホラーイベントなど】 - Togetter
【4/19】突発的ポケモンオタク語りまとめ【クレセリア、DP映画、ギラティナ等】 - Togetter
Ya-1:
(togetterのリンクを今)出しちゃだめじゃん。 今から話すのに。
てんろー:
いや、もういっそ、これ見ながらで。これ(togetter)は俺たちがテレパシーで会話してる内容をテキストに起こしているだけだから。
これを第三者であるもちきんっていう人を挟むことによって、一般化するっていうのがもちてんやラジオの本来の試み。だから、今回はちゃんと僕とやいちが話すことを、初心者目線のもちきんさんに突っ込んでもらいながら、進めていくという本来の形を見たいと思いますが良いでしょうか?
もちきん:
はい。
という訳で本題に入って行きましょう、はい。
・・・
もちきん:
今日のテーマはシンオウ神話?
てんろー:
なんとなく大体わかるでしょみんな。
Ya-1:
ええと、まずポケットモンスター ダイヤモンド・パールやったことあります?皆さん。じゃアンケート取りましょうか。
あまのじゃくな人が、「いやプラチナだけやったことあるから」っていいえを(押すかもしれないけど)。
てんろー:
(笑)ええ、匿名ラジオじゃん。
「はい」90%、みんなじゃあやってるね。
Ya-1:
もちきんさんはやったこと(ある)?
もちきん:
はい、あのね、私。ちょっと不思議な経歴になっちゃうんだけれど、バッチ6つ取ったあたりで、迷いの洞窟で2年間迷ってみんなについていけなくて、土壇場でクリアしたっていう思い出があるから。
Ya-1:
迷いの洞窟でまさか2年間迷うとは、ゲームフリークも想定してなかったと思う。
もちきん:
そうだね。ミルちゃんとずっと戦ってたから、エンペルトのレベルだけめちゃくちゃ伸びてた。
Ya-1:
これゲーム作りの罠なんだけど、こういう迷うダンジョンを設置した時にマジで迷い続ける人がいるっていうのを想定できないから、製作者側が。
てんろー:
剣盾で、あなぬけのヒモが大切なものになったのって意味あったんだって思っちゃう。
Ya-1:
まず剣盾のダンジョン迷わない。1個も。
てんろー:
びっくりしたもん、ルミナスメイズの森1本道で終わっちゃったから。
Ya-1:
(RPGの要素に)迷うっていう要素はもういらなくなったんだと思って、感動しました。
・・・
もちきん:
……はい。それで、私シンオウ神話のことをミリしか知らない。
てんろー:
じゃあ、今ミリ知ってる知識を何となく言ってみて。
もちきん:
なんかアルセウスが六体くらい生んで、ポケモンが生まれて世界生まれた、みたいな感じ。
てんろー:
あーそう、じゃあ今日はこのラジオ終了ということで。
もちきん:
ええー、そう?なんで?教えてよだって。
Ya-1:
それが割とマジでそれがすべての内容だから。
てんろー:
シンオウ神話のすごいところで、いわゆるシンオウ神話て、みんなやっぱりアルセウスとディアルガパルキア、あとギラティナも?の話だと思うんですけど、そいつらが出てくるお話はそこで終わりなんです。
もちきん:
うん?
てんろー:
うん、アルセウスが無から…アルセウスって明言されてすらないから、ここの話も後でやるけど、とりあえずアルセウスがディアルガとパルキアを生んで、ユクシーとエムリットアグノムを生んで世界を作りました。終わりなんですよ、実は。
もちきん:
ええ?
てんろー:
これ以外の情報は1つもない。1つもって行ったら誇張だけど。
じゃあシンオウ神話の何がすごいかって言ったら、それの周りがすごい。
もちきん:
周りがすごい…?なんかその、単純な神話を語るための周辺機器が凄いっていうような?
てんろー:
周辺機器と言うよりも…… 難しいなあ。
周辺機器って言われたから、音楽で例えるとハモリですよね。
Ya-1:
え?…分かった分かった。
てんろー:
ああ、やいちにだけ伝わったパターンだ。
Ya-1:
俺は分かるから。
もちきん:
えー、わかんない。
てんろー:
待ってよちょっと。(シンオウ神話は)始まりの話ってやつですよね。卵が現れて2つの分身を作りさらにUMAを生んだっていう、これが主旋律だとしたら、それ以外の他の楽器のパートがめっちゃ充実してるのがシンオウ神話なんですよ。
Ya-1:
そうか。こういう角度で来るとはちょっと予想してなかったかな。
てんろー:
逆に、やいちはなんて言うの?
Ya-1:
「なんて言うの?」って、俺、例えるの別に得意じゃないからな。
(笑)
もちきん:
神話を語るための 周りの固め方がうまいとか、そういうことですかね。
Ya-1:
まあ、そういうことです。
てんろー:
そういうことらしい。
もちきん:
じゃあ例えば、実際に(神話の周りの要素として)何があったの?
てんろー:
ミオ図書館(※)に書いてある、それ以外のお話全部。
※ミオ図書館
ミオシティにある図書館。アルセウスやディアルガ・パルキアなどの伝説・幻のポケモンを示唆していると考えられる本がいくつか置かれているが、それ以外にも、「川にポケモンの骨を流すと肉体をつけて戻ってくる」など、それらには必ずしも関係しないと思われる昔話や伝承を書いた本も多く置かれている。
もちきん:
そうなんだ。あの、あれ?
ポケモン喰って、きれいにして骨流したら体が戻ってきた、とか。
てんろー:
そんなやつそんなやつ。うんうん。
Ya-1:
うん、だから、それはもう神話じゃないじゃん。
てんろー:
それも外堀のひとつじゃん。
Ya-1:
そう、じゃあ、もうオーケストラそのものよりも後ろに居る人たちの方がすごい。
てんろー:
それはあー、なるほどね。
もちきん:
もうオーケストラ(の例え)いいだろ。外堀がすごかったって話でしょ。
(笑)
ホウエン神話とシンオウ神話
てんろー:
えっとシンオウ神話のまあ、異質さというか、「よくできてるさ」を…「よくできてるさ」といったらおかしいな、異質さを比較するためにホウエン地方とちょっと比較してみるんですけど。
Ya-1:
「よくできてるさ」?なんか完成度とかじゃないの?そこ。
てんろー:
完成度と違うからなあ、視点の問題だから。
Ya-1:
じゃあ、「よくできてるさ」で。
てんろー:
グラードンが大陸を作ってカイオーガが海を作って、それをの争いを進めるために空からレックウザがやってくるっていうのがホウエン神話じゃないですか。
もちきん:
はい。
てんろー:
それ以外にないんですよ。
Ya-1:
ないよね。どれぐらいないかっていうと。
レジロック、レジスチル、レジアイスはマジで全く関係ないので。
もちきん:
ええー、そうだったの?それは知らなかった。
Ya-1:
マジで全く関係無いの、あれ、すごくない?
レジ系は、各地の地方に埋まってる、なんか知らんけど、古代のポケモンなんですよ。
もちきん:
そういえばいたね、シンオウにも。
もちきん:
そう、あ、そうなんだ。
てんろー:
関係なかったんですよ。
そもそも、ポケモンのストーリーの主軸に神話を持ってこようっていう試みがルビサファからの流れなので、
もちきん:
ふんふん。
てんろー:
そういう意味でルビーサファイアの最初の神話と呼ばれる伝説(のポケモン)を、もうめちゃめちゃそのシンプルな形で収めたっていうので、入門としてはまあそうだよねっていう感じなんですよ。良くも悪くも。
Ya-1:
しかもルビサファの時点ではメインストーリーの最初のほうとかだと全くグラードンとカイオーガが話に出てこないから、まあメインかどうかっていうと怪しい。
てんろー:
グラカイの話をするNPCもいないですからね。
ルネシティにもそういう話無いんで。
…で、次の作品がダイヤモンドパールなんですけど、なんかここで突然神話の解像度めっちゃ上がっちゃうんですよ。
Ya-1:
急にね、上がっちゃうよね。
てんろー:
まあ解像度って言ったんですけど。…… 解像度ってなんて訳せばいいんだろう。リアリティとか…「よくわかってるさ」…
Ya-1:
「よくわかってるさ」ね。よくわかってる、ああ、ダイヤモンドパールの神話「よくわかってるさ」高いなあ。
(笑)
もちきん:
うんそっか、完成度ってわけではないんだね。
Ya-1:
そう、完成している必要はなくて。
てんろー:
別にグラカイも完成してるんですよ。あれはあれでちゃんとしてる。別にゲラカイが未完成であるとか、なんかシンオウ神話に比べてイッシュ神話とかってクオリティ低いよねとか言いたいわけではないと思うんですよ。
Ya-1:
だって、ポケットモンスタールビーサファイア自体が神話だからもう。
(…)
もちきん:
作中で語られるそれっぽさみたいな、そういうこと?
Ya-1:
シンオウ神話は、ダイヤモンドパールに出てくる神話だけど、ポケットモンスタールビーサファイアは作品が神話だから。
てんろー:
グラードンとカイオーガ戦っちゃうしまじで。(ゲーム中で戦うのは)エメラルドか?
Ya-1:
戦っちゃうんだからもう神話だろう。そこでもう。
もちきん:
あ、確かね。神話に立ち会ってしまったのよね。主人公が。
Ya-1:
ポケットモンスターエメラルドは神話、はい。はい。
てんろー:
それに比べると、ダイヤモンドパールはシンオウ神話をなぞってるわけでは無いんですよ。
もちきん:
うん。
ああ、”元からある神話”を…
てんろー:
そうなんですよ。ルビサファは、凄く極端に言っちゃうと、「すごいポケモン達が神話レベルになってすごいところを見ちゃうと伝説だよね」っていう感じなんですよね。結局、伝説ポケモンの格を高めるためのフレーバーに過ぎないので、神話が。
Ya-1:
「伝説のポケモン」ってつけちゃったからね。
まあ、伝説ポケモンと呼ばれ始めたのがいつなのか、僕はあんまりポケモン史に詳しくないので知らないんですけど。
(中略)
てんろー:
グラカイは、シンオウ神話のそれと1番明確に異なる点としては、コメント欄にちょっとあるけど、要するにグラカイは後づけだよっていうふうに実は明言されているんですよ。
もちきん:
うんうん。
てんろー:
地殻変動のことを神格化して具象化しちゃったのがグラカイですよ、みたいな。
Ya-1:
そう、神話っていうのは、結局その神話の成り立ちっていうのが、まず神様がいるっていうのはどういうことかっていうと、昔は科学で解明できないいろんな不思議なことがあったから、やっぱり理由が無いとすごいもやもやしちゃうんですよね。理由がわかんないから。
もちきん:
うん。
Ya-1:
でももう、神様のせいだよっていうことにしちゃえば、それだけで理由になっちゃうから、それが神格になっちゃうんですよね。
てんろー:
実は妖怪のなりたちも都市伝説も全部これなんですけど、
もちきん:
うん。
Ya-1:
要するに、人の信じる心、不思議なものを恐れる力っていうのは全部そこにつながっていくんですよ。
てんろー:
擬人化ですよね。
グラカイはまさにそういう話なので、そういう意味ではめちゃくちゃ分かりやすいんですよ。
シンオウなどでの世界の成り立ち、神話の成り立ち
てんろー:
という訳で、やっぱりまあ、普通にポケモンに神話っていうネタをのせたらこうなるよねみたいなのがグラカイ。
Ya-1:
ダイパは違うんです。
もちきん:
どう違うの?
てんろー:
なんかね、ダイパはね。
…… なんなんだろうねぇ、わかんなくなっちゃった。全然わかんなくなっちゃったんで、ちょっと。
Ya-1:
今日のラジオは今からこじれます。
(中略)
Ya-1:
ダイパの神話っていうのは、その、よくわかんないよ。
アルセウスがまず3つの卵を生み出して、ディアルガ、パルキア、ギラティナが生まれたっていうところまではいいんだけど…
それが いいのかどうかっていうのがまず分かんないから。
もちきん:
うん。
Ya-1:
まずアルセウスが最初にあったのかどうかすら怪しいから。
もちきん:
神話にあるってだけで、実際アルセウスがそうしたかどうかはまた謎っていう?
Ya-1:
そう。これがつまり妖怪とか 民俗学とか、そういうお話しになってくるんですけど、世界が何であるのかっていうことってこれ、神話の話じゃないですか。普通に。
てんろー:
そう、これね。もう神話の話なんですよ。ポケモンの事いったん忘れていただきたい。
Ya-1:
世界が何であるのかっていうことに対してみんな理由が欲しかったんですよ。
てんろー:
これは例えば、巨人が空を支えているからだの、この世界はでかい亀と象の上に乗ってるだの、この世界は四角いめっちゃでかい大陸で淵まで行ったら滝が流れてるだの、まあそういう感じの話の流れですよ。そうなんですよ。
もちきん:
なんかあれだよね。あのルビサファだとあの地殻変動で。
てんろー:
まあそう。ルビサファは結局地殻変動ってなんで起きるんだろうっていうところを説明としてグラカイが置かれているわけで。
Ya-1:
あれ、てんろー先生、もしかしてルビーサファイアとダイヤモンドパールって一緒?
てんろー:
ああ、そういう意味では一緒かもね。
Ya-1:
ああ、崩壊しましたけど。
てんろー:
してないだろう。崩壊。
もちきん:
ルビサファだと、なんか海の博物館みたいなところで 話してるじゃん?
てんろー:
どうだっけ…今見てみる。
(中略)
Ya-1:
世界がどうやって生まれたかっていうのをみんなすごい理屈をつけたがって、シンオウ神話の人々は、まあポケモンとみんな昔から支え合って暮らしてたし、ポケモンが生み出したってことにしようと思って。まあ、世界を生み出したポケモンがいますよっていうことにしちゃったわけですよ。
もちきん:
なるほど。
Ya-1:
だから実際にアルセウスが世界を創ったかどうかっていうのは、分かんないんですよ。
もちきん:
なるほどね、はい。
Ya-1:
で、作中で1番すごいのはディアルガが時を操ったり、パルキアが空間を操ったりする描写が全然無くて。
もちきん:
(笑)
Ya-1:
そう、ないんですよ。実は。
どれくらい無いかっていうと、アカギがダイヤモンドでディアルガを、パールでパルキアを生み出した時に、両バージョンとも空が真っ黒になって、なんかすごい虹色の不思議空間になるっていうのに統一しちゃったから、時を操ったり空間を操ったりしてないんで、すごい力があるっていうことがわからない。
あ、そう、外伝作品でみんななんか時間や空間を操ったりしてるけど、本編でしてないから。技でしかしてない。
もちきん:
え、じゃあ何?実際、アカギさんは、ああやってなんか使役して、時間も空間もなんかいじくって新しい世界を作っちゃおうとか言ってたけど、本当にできるかどうかってなんか果たして怪しいみたいな。
Ya-1:
まあ、分からない。
もちきん:
ええ?お茶目か?マジで言ってる?すごいね。
Ya-1:
うん、それに関しては本当に不思議なところで、まず「あかいくさり」ってなんなんだよみたいなところから始まるんだけど…神話に1回も出てこないんだよ赤い鎖。
てんろー:
そう、結局時間を操るぐらいのことなら、他のポケモンとかでもできちゃうんですよ、実は。
なんならネイティオとかそう。右目で過去、左目で未来をちょっと見る設定があったり。そもそもタイムマシーンと言うのが初代と金銀の間にあるのがすごい。
Ya-1:
この世界、実は時間とか操っても良いんだよね。
もちきん:
実はよかったんだ。
Ya-1:
そう、空間に関しても、なんかみんなトリックルームとかみんなやっちゃってるから。
だから、それらのすごい強いポケモンとしてディアルガとパルキアがいたとしても…うん、まあ、それが本当に時間を作ったり、空間を作ったりしたかって言ったら、決してそんなことは言い切れないんですよ。ディアルガのポケモン図鑑なんか、ディアルガの心臓が動くと時間も動いていくとされているって言われてるんだけど、これも絶対嘘で。
てんろー:
解剖した?
(笑)
Ya-1:
レックウザは解剖したけどね。ちゃんと図鑑説明にミカド器官のこと書かれてるから。
てんろー:
いや、ミカド器官はカナズミコーポレーションの人が話すだけだけど……
いずれにしても、解剖まではしてなくてもレックウザちゃんと調査したんだ、ってなった。
ここが、(科学的に調査されてる所があるという点で)グラカイとシンオウの大きな違いですよね。
各作品の神話と伝説のポケモン、ストーリー
てんろー:
じゃあ、またグラカイの話とディアパルの話で何が違うのかって話するか。
Ya-1:
何が違うんだろうね?だって、 どっちにしても神話に書かれた出来事とは(実際に起こった事と)全く違う可能性があるっていうことに関しては一緒なわけじゃないですか。
グラカイに関しては完全に明言されてるんで、まあね、なんか陸をちょっと増やしたり、海をちょっと増やしたりする程度の能力しかない。うん、これが実はうまくて、グラードンの能力は「ひでり」そのもので、まあ日が照ったら海って蒸発するよねっていう。ただそれだけの能力っていうのはすごい上手いよね。
てんろー:
あー、なるほど。それは確かに。
Ya-1:
逆にカイオーガが雨は降らしたら、まあ若干水位は上がるよねって。
…それだけ嘘じゃない?
カイオーガだけ嘘ついてない?え、雨めっちゃ降っても海上がんないだろ。地球の話してるよね?今。
てんろー:
そうなんだよねえ。
Ya-1:
地球の話したよね。
てんろー:
あのね。雨がめっちゃ降ると海の水位が上がるの、地球の話なんだよな。
Ya-1:
地球の話なんだよ。これ地域の話じゃないじゃん。
てんろー:
確かにそう。
Ya-1:
湖とかのかさはめっちゃ増えるんじゃない?
てんろー:
確かにそれはそう、そう、なんだよね。
Ya-1:
レックウザはなんかエアロックするからね。
てんろー:
じゃあうんうん、そう考えると、まあだいぶ別の文脈だよね。
Ya-1:
うん、そう。 だってディアルガとパルキアは(特性)プレッシャーだからね。
・・・
もちきん:
あの、ダイパとルビサファのゲーム内での神話のなんか言及量が全然違うっていうのは…。
Ya-1:
ああ、言及量は全然違う。どれぐらい違うかっていうとシンオウ神話っていうのは、まず序盤の街ハクタイシティあたりから信仰の話がドンと出てきて…
てんろー:
すごいよね、だってその町の説明に書いてあるじゃん。神話と共に息づく町って。
Ya-1:
で、もう神話おねえさんが出てくるわけいきなり。
もちきん:
シロナさんのことね。
Ya-1:
ダイヤモンドパールのメインストリームっていうのはもちろん、ポケモンの話だから主人公が冒険に出て強くなってチャンピオンになる話なんですよ。でも、もうそのサブに神話の流れがあって、神話を紐解いていくと面白いよっていうことをレクチャーしてくれるのが、この神話の考古学おねえさんシロナさんなんだけど、それが同時にメインストーリーの一番上であるチャンピオンでもある、っていうのがダイヤモンドパールの作り方なんですよ。
もちきん:
ルビサファだと、どれぐらいから(神話の話を)やり始めたっけ?おくりびやま 行きました。くらいまで話しないじゃん。
Ya-1:
そう。マグマ団とアクア団が関わっている所にしか基本的にグラカイは関わって来なくて、グラカイっていうのは物語の中でどういう立ち位置かっていうと、その悪の組織が手に入れようとしているポケモンですよっていうことくらいしか実は関係がないんですよ。
てんろー:
そうか、その文脈で確かにダイパが作られてるのなら、アカギがディアパルを求めるのはその文脈か。
Ya-1:
そう、で、 これが結局消化されちゃってどうしようもなくなったのがゼルネアスとイベルタルで…。
もちきん:
裾野を広げるな、もう。
Ya-1:
ゼルネアスとイベルタルってストーリー上でまじで何の意味もないから、グラードンとカイオーガより意味がないんですよ。これは何でかっていうと伝説ポケモンも出さなきゃいけないから……、(中略)
その、xyの伝説がなんでバッテリー扱いなのかっていうと、ゼルネアスが生の力、イベルタルが死の力を操ってて、この生の力と死の力が混在するのがカロス地方なんですよ。
カロス地方って言うのは、もう生と死がすごいバランスで成り立って、これを保てるのは秩序ポケモンのジガルデしかいないんです。実は。だからジガルデっていうのはすごい重要なポジションで、めっちゃちゃんと監視してくれてるんだけど、これがx yで出て来なかったのはなんでかっていうと、イベルタルとゼルネアスが両方出てくるバージョンが無かったからで、Xがゼルネアス、Yがイベルタルって指定されちゃってて、それが悪の組織の利用されちゃったから。全く生態系の乱れっていうところに言及できなくって、生態系が乱れたところにジガルデが現れるっていう本来のストーリーを全く展開できなくて、それが残念だったなと思いました。
もちきん:
終わった?シンオウの話に戻して良い?
Ya-1:
そう、やっぱりマイナーチェンジでZ出してれば、それみんな見たかったと思うんですけど。
例えば、Zでイベルタルとゼルネアスの間に割って入るジガルデっていうのがちゃんと見れたんじゃないかなと思います。
(コメント)
ジガルデのところだけめっちゃ早口になってて面白いね。
Ya-1:
(笑)
・・・
Ya-1:
えっとだから、シンオウ神話の話、次なんでしたっけ?もう台本が崩壊しているからね。
てんろー:
もうした。
まあまあ、じゃあもうグラカイとかのことは考えないものとして。
編集注:グラードン・カイオーガの話とシンオウ神話の違いについては、2021年に配信されたこの回のリメイク(youtube)や、その他の回などでより詳しく話されているので、興味がある方はそちらもお聴きください。
シント遺跡とアルセウス、シンオウ神話の終わり
Ya-1:
じゃあ、なんかダイヤモンドパールで覚えているとこ ありますか?もちきんさん。
もちきん:
私?私が覚えているとこ?神話関連で…?ええ、あれが神話関連に入るのか私わかんないんだけどさあ、あの、全く音が無い建物。
てんろー:
あっ!その話するんですか。そうかあ。
Ya-1:
いぶんかのたてもの の話、したいんですか?
てんろー:
いぶんかのたてものの話、ここから一時間できるよ。
Ya-1:
一時間ですまないかもしれないですね。強い思い入れがあるので。
もちきん:
そこ(建物の話)と、あと、なんだっけ? 果たしてアルセウスがディアルガパルキアギラティナ作ったかどうかって定かではないって話してたけど、「シントいせき」(※)でさあ、作れちゃうじゃん。
※シントいせき
2009年発売の「ハートゴールド・ソウルシルバー」で、映画館で配布されたアルセウスを入手して特定の行動をとると、シンオウ地方の文化が残る「シントいせき」にワープさせられ、アルセウスがディアルガ・パルキア・ギラティナのどれかを創造するというイベントがあった。
イベントの映像は下記の動画から確認できる。(外部投稿者様)
なお、後述の没イベントの映像についてもyoutubeの海から確認できる。
Ya-1:
あっ!
もちきん:
だから、作れはするんじゃないの?って思ってて……それだけどうしても気になってるんだけど…
Ya-1:
作れちゃうんだよなーー。
シント遺跡はなんか作れちゃうんだよねえ。作れちゃうから、もうシンオウ神話崩壊します。ここで。
もちきん:
うそ。
Ya-1:
シンオウ神話の肝は、「本当にアルセウスが、ディアルガ・パルキア・ギラティナとか作れるのかは分からないよね」っていうのだったけど、作れちゃったから、もう話はおしまいです。
もちきん:
ええ、終わっちゃった。じゃあ、え。これがシンオウ神話の一番ケツの部分だったってこと?私たちが触れられる。
Ya-1:
そういうことなんです。だって作っちゃったからね。
もちきん:
作っちゃったから。分かった。ありがとう。
Ya-1:
そう、なんですよ。シント遺跡。 アルセウスが卵を産み出すイベントがあるじゃないですか。ディアルガ、ギラティナ、パルキアをね?
生み出せるの一回だけじゃないんですよ。 2匹目のアルセウスを連れていくとですね。なんと2つ目の卵が手に入るんですよ。 2匹目のアルセウスってめっちゃ面白くないですか?
てんろー:
そう、でも実はこれは没データなんですよ。
Ya-1:
そうですよ。だって二匹も手に入らないからね。2回も配布されなかったんで。
てんろー:
四世代で配布されたのは、映画館の1回だけなんでね。えいがかんアルセウスでイベントを起こすと、他のえいがかんアルセウスでイベント起こらなくなる。
Ya-1:
そう、もったいないですよね。
てんろー:
だから、あんまりこの話を正史として扱うのはどうかとも思うんですけど。
Ya-1:
まあね。
てんろー:
でもね、そもそもえっとアルセウスの事を語るには1番外せない、はじまりのま という所(イベント)も没だから………うん、この辺はそういうものだと考えると筋が通らない。
もちきん:
…ごめん、触れる順番間違えた。
Ya-1:
いや、間違ってない。この話は避けて通れないからアルセウス(の話で)。 でも、二匹目のアルセウスっていう概念がめっちゃ面白くて……世界を作ったポケモンってアルセウスですよね?2匹目のアルセウスって何?
2個目の卵生まれるって何?
もちきん:
ああ、なるほど。
Ya-1:
そう。ここはゲームシステムだけで話ができてるんで、ちょっとあんまり深く(突っ込まない)…
(笑)
てんろー:
まあ、幸い二匹目のアルセウスイベントは没になったので良かった。
てんろー:
一応公式の明言ソースとしては、ダイヤモンドパールの「はじまりのま(※)」イベントがなくなった理由は、「わかりづらかったから、混乱しちゃうから、オチとしてあれ持ってこられてもわかりづらいから止めました」っていうのが一応まぁ。言われてることではある。(他にも色々あるかもしれないけど、)これは公式からの一次ソースなので、とりあえずこれを信用する。そういう意味で考えると、まあ。アルセウス関連のケツとしてシント遺跡を持ってきたっていうのは、どう考えてもシンオウ神話の否定なので、あそこで終わってしまうのは、まあ……みたいなところはある。
… いつまでもシンオウ神話ばっかりやっているあれじゃないんですよっていうのはね、ある。
※はじまりのま
DPに存在する、アルセウスを入手できる没イベント。(セーブデータの改ざんなどでのみ行えるもの。)
内容ネタバレ注意(クリックで開く)
テンガン山 槍の柱 にある、笛の絵が描かれたマークの床の上で「てんかいのふえ」を吹くと、空に向かって透明な階段が現れる。それを上ると、テンガン山の頂上のはるか上の床(はじまりのま)にアルセウスがいて、戦闘になる。
なお、「てんかいのふえ」のメロディーは後述の通り、オープニング(DPではGAME FREAK、BDSPではILCAのロゴが現れる時のもの)とほぼ同じである。
内容は様々なサイトで知られている。
(BDSPでも2022年3月16日に配信された。)
Ya-1:
伝説のポケモンを神格化しすぎているっていうのがそう。そう、なんですよ。なぜなら、ほかの地方の作品を見てもらうとわかるんですけど、 設定でアルセウスに勝ってるやつ一体もいないから。やりすぎなんですよ。あいつらだけどう考えても。「宇宙生み出したかもしれませんよ」っていうだけでやばいから。生み出してない思うけど、俺は。シンオウ神話どっかで否定しとかないと……
てんろー:
もう1つシント遺跡には、「てつがくしゃ」がいるんですよ。知ってる?
もちきん:
ああ…
うん、うんうん。
てんろー:
まあ、いるんですけど、で、これがね、あのもうなんか全部言ってるの。
Ya-1:
説明してるの。俺たちが言ったようなことはね。だいたい言ってくれてると思いますよ。作中でね。
卵のイベントちゃんとみました?ディアパル生み出す時のイベント。
あれ、めっちゃ面白いんで。
てんろー:
でもその話したらマジでさー、めっちゃ別の話だろ。
Ya-1:
そうだよ、イベントが面白いっていう話。めっちゃしたいから。
てんろー:
面白いだけだから。
もちきん:
面白いだけなんだ。普通にちょっと怖かったなあっていう。
Ya-1:
正解。
てんろー:
正解。
意味が無いから。
Ya-1:
そうあれ、怖いイベントなんで。
てんろー:
突然別世界のものを見せられたら怖いよね、それ以外の意味はない。
Ya-1:
原体験としての怖いだから、あれは完全に。いみわかんないから怖いなんでそう言うこと。
もちきん:
そうなんだ………
てんろー:
そういうことでいいんです。
畏怖とか恐怖を抱くっていうのは正しいので……だから、そういう意味でのイベント……
てんろー・やいち:
成功じゃないですか。
Ya-1:
成功してるっていうのが今わかった。
てんろー:
俺も(当時)怖いと思ったからね。
Ya-1:
世界を創造するっていうことは意味わかんなくて怖いよねっていうのをちゃんとやっててえらいよね。
てんろー:
これは、えらい。
Ya-1:
めっちゃ偉いよね。
てんろー:
アルセウス概念完成しちゃった。しちゃったんだよね。
Ya-1:
しちゃったんですよね。
この話してよかったね、
てんろー:
よかったよかった。オチがつきましたね。アルセウスが世界を創造するってことは人間にも想像し得ないことだから。写真として投影するするしかなくて怖い。
もちきん:
うん、うんうん。
てんろー:
まあ、それが、第三者のそういう感想をちゃんと聴けてよかったですね。
Ya-1:
ちゃんと怖くてよかったですね。
てんろー:
……というのがアルセウスの話。
「いぶんかのたてもの」がゲームの中にあるということ
てんろー:
あと他に気になること、何っていってたっけ?
もちきん:
うん、あと、もう一個気になるのが……なんか気になるのなんだっけ? あの、あれですよ。飛び回るタイプのアグノム・ユクシー・エムリット辺り、何であのモチーフなんだろうって。
Ya-1:
モチーフって、見た目とか?
もちきん:
いやいや、別に形の話じゃなくて、ディアルガ・パルキア・ギラティナの他の神が何で感情の神なんだろうって。
Ya-1:
えっ、いや?だから意志と感情と知識でしょ?なんか感情の中でも大切な要素っぽくて神話ぽくてよくないですか?
もちきん:
あ、え、そんな程度なの?え、?フレーバーテキスト?
Ya-1:
なんか神話っぽいからすごい良くない?
てんろー:
その辺の話はアカギと絡めるとほんと面白いですよ。神様が生み出した人間の感情が、人間の感情を否定するアカギのキーアイテムになる。っていうのは あるんですけど、それちょっと文脈違うんだよ、
Ya-1:
そう、これはね、アカギの話になっちゃうんだよね。
てんろー:
どっちかってこれは設定考察に近いやつで。 エヴァンゲリオンと同じだよね。
Ya-1:
面白いよね、ユクシーは知識の神だったり知恵の神だったりっていうちょっと若干あやふやなところがすごい神話っぽくて好きなんです。
(略)
それは大事なことなんですけど……
話が違うんだよね。それを読み解くことに意味があるかどうかは別の話なんで。
てんろー:
何て言うんだろうな? 着地の話なので、それはどっちかっていうと。
Ya-1:
ダイヤモンドパールをするにあたって、神話がどういう感じで世界に影響を与えているかの方が面白いので、神話の中身の考察はそんなに必要ないみたいな話。
てんろー:
もうね、キャラクター考察になっちゃうからね。
・・・
もちきん:
じゃあ、あの。
いぶんかのたてもの(※)の話してもらっていいですか?
※いぶんかのたてもの
ヨスガシティの南西にある、中に入ると街のBGMが鳴らなくなる、宗教施設を思わせる外観の建物。
DPでレポートを書いた時などに表示される名前から これが公式名称とされているが、他サイトなどでは「ヨスガの教会」などと呼ばれることもある。
この建物に関するゲーム内での説明は、タウンマップのヨスガシティ左下に言及がある程度である。
てんろー:
異文化の建物で今回のラジオ終わるんじゃないの?
Ya-1:
んで、異文化の建物っていうのはシンオウ神話においてどういう役割を持っているかっていうと、なんか見た目がまずキリスト教の建物っぽいんですよ。
教会って書いてないのはたぶんまあ、ゲーム的にあんまり宗教に触れるとややこしい っていうところがあるんで、まあ教会とは書いてないんですけど。
神話があるならもちろん、それとは別の神話もあるよねっていうのは当然なんですよ。別の文化っていうか。 別の世界、別の国の神話が流れてくることもあるんですよ。それがその世界の神話とどういうふうに融合して、どういう形で、その土地に根付いているかっていうのを表すのに、異文化の建物ってすごい大事なんですよ。ね、てんろーさん。
てんろー:
はい、まあ、そうですね。大体やいちが言ったことで全部なんですけど… で、結局、省略しないといけない所は省略するのがゲームなんです。マサラタウンに何も家が3つしか無い訳じゃない。そんなことはわかりきってる話で。
もちきん:
まあ。
てんろー:
シンオウじゃない神話も同じなんですよ。ミオ図書館にあの程度しか本が無い訳がないだろうということなんですよね。語られていないところも、必ずそのゲームの中の世界に存在するわけです。
Ya-1:
そうなんですよ。
てんろー:
それを異文化の建物っていうあの1つのオブジェクトだけで、「なんか違うな」って思わせることに成功しているというのは、異文化の建物の一番の価値なんですよ。
Ya-1:
そう、なんか変だなって思って記憶に残ってるじゃないですか。それが存在の意味なんだよ、ちゃんとね。
だからね、皆あの建物に対して「ここ何の意味があったんだろう」って思って心に残ってくれることが僕は嬉しい。
もちきん:
ああ。
Ya-1:
開発者じゃないのに。
(笑)
Ya-1:
何で俺が作ったみたいになってるんだ。
もちきん:
後方開発者面。
Ya-1:
そう、なんかね。違和感を感じてくれるっていうのはうれしいよ。
てんろー:
まあ、その違和感を覚えるのの1つに、音が無いってすごい大きいですよね、やっぱり。
さっと異質だなって思うじゃん?
Ya-1:
音がないから怖いっていう意見はね、皆さん、よく聴く。
てんろー:
「分からないから怖い」、これはアルセウス(シント遺跡イベント)の実写と繋がるんですよね。
Ya-1:
なんで音がないのか分かんないから怖いんですよね。みんな。
俺は静かで良いなと思ったけど。
てんろー:
怖いという感情を抱くか、なんか静かでいいなあという感情を抱くか、うん。 まあ、結局これって、さっきも言ったけどアルセウスの実写のイベントとそう変わらないんですよ。
Ya-1:
だってみんなさあ、お寺とか教会とか行ったことあります? めっちゃ静かだよね。うん。だからちゃんと静かで良いなって思った。
もちきん:
教会としての再現ってこと?
Ya-1:
うん。まあ、それでもいいと思うけど、そういうことでもいいよね。
てんろー:
特に明言されてる訳でも無いので、理由が。
Ya-1:
そういうのがない理由を見ながら考えてほしいなって思う。
てんろー:
だってひょっとしたらマジで(BGMが鳴らない)バグかもしれん。否定はできない。
…そこはお任せします。そこに何を感じるかっていうのは、さっきのユクシーの話と同じで、なんでそうなんだろうって考えるのは、”作中世界でその設定を考える”のと同じ行為なので。
Ya-1:
うん、だからね。僕が言いたいことはね。結局ね、怖いで終わって欲しくないっていうこと。
てんろー:
怖いって思ってくれる人は…思ってくれることは正しいんだけど、そっから一歩先を進むことができればだいぶ違います、ってところはあるよね。
Ya-1:
あるよね。怖いってことはわからないことがあるってことで、分からないことがあるってことは、その先に絶対何かあるから。 それはね、考える価値はある。
もちきん:
うん。
てんろー:
そう。
Ya-1:
…っていうのが今回のメイン課題だったということでどうでしょうか?
(笑)
Ya-1:
シンオウ神話ってね。全然わかんなくて怖いんだけどね。
てんろー:
うん、そうなんかね。最初のほうにいろいろ理屈こねくり回して、結局しっちゃかめっちゃかになっちゃったんだけど、そういうこと。
「てんかいのふえ」と世界のはじまり
てんろー:
ただ1つ言い忘れたというか、最初にこれを言っておけば(進行が)だいぶましだったなというのが、1つあって、”シンオウ神話が先にあって、「ダイヤモンド・パール」というゲームが作られた” ようにできている。っていうのが1番いいですよね。
Ya-1:
そうですよね、実際に神話ありきで…
てんろー:
アルセウスが世界を作ったというのも、でかいでかいシンオウ神話の一部でしかない。
確かにゲーム(のストーリー)的にはメインではあるんだけど、それ以外の民族的な文化。たとえば「???さま」とか、ヒードランが火山で信仰されているとか、うん、そういう。外堀が上手く埋まっているから、なんか、シンオウ神話はゲームのために作られた神話には見えない……ように出来ている。
Ya-1:
ちゃんと神話としての完成度は、いや、「よくできている度」が高いです。
もちきん:
うんうん。
Ya-1:
そうなんですよ。 これ、アルセウスが世界を作ったっていうのはどういうことかっていうと。
…あのアルセウスがいる世界、つまりダイヤモンドパールの世界を観測するために1番最初にやることはゲームの電源を付けることじゃないですか?そしたらダイヤモンドパールのオープニングの曲が流れるでしょ。
もちきん:
うん。
Ya-1:
これは、 アルセウスイベントを起こすために必要なてんかいのふえの音色と一緒っていう事。
もちきん:
ああ、ええ?え、そうつながるの?すごいね。天界の笛の音につながる。ってこと?
(DPを起動した時の音が配信で流れる)
Ya-1:
あ、今流れました。(笑)
まあ、この音はプレイヤーがダイヤモンド・パールの世界を観測する時に 1番最初に聞く音で、これは天界の笛のフレーズと、いっしょ。
もちきん:
うん、うんうん。
てんろー:
わかりますか?
世界の創造とは認識のことなんです。
もちきん:
えっ、なんかオープニングが、その神話の導入っていうか、私たちがシンオウ神話を見るにあたっての導入としてよくできてるってこと?
Ya-1:
うーーーーん。
てんろー:
違う。
もちきん:
えー、違うの?
てんろー:
一歩進む必要がある……!
Ya-1:
この違いをね、ちゃんと認識しないといけない。あのね…
てんろー:
すげえ端的に言うなら、ゲームを起動してあの音を聞くということは、その瞬間にシンオウ地方という世界が完成したんですよ。
Ya-1:
ええー、わかりづらい!
だからさ、その音が流れた瞬間に、プレイヤーはダイヤモンドパールっていうゲームを始めて観測したってわけ。
もちきん:
……
Ya-1:
だから、世界が始まったのはダイヤモンドパールっていうゲームを起動した時なんですよ。
もちきん:
ああ!
だから始まりの音が流れるの。
なるほど。わかった。
てんろー:
俺たちが観測しない限り、シンオウ地方という世界が存在しないんです。
Ya-1:
そう、なんですよ。だからこの始まりの間のイベントは没になったっていうのが1番のオチなんですけど。
もちきん:
え、辛すぎる。
てんろー:
わかんないわかんない、どっちにしてもぶっちゃけこれはもうエモい……
Ya-1:
まあ、そう。
てんろー:
なんかもう、ぶっちゃけこれだけでもう概念全部完成してるから。
これが言いたかった。
Ya-1:
これエモいよねっていうことが言いたくてこの話した。
てんろー:
シンオウ神話もう全部これでぶっちゃけいい。これもう最高。
もちきん:
今日これ言うためにやってたの?
Ya-1:
そうなんです。
てんろー:
世界の創造をプレイヤーのゲーム起動と重ね合わせるために音を使う。えええええ。
もちきん:
エモい。
Ya-1:
すごいでしょ。
てんろー:
シンオウ神話なんも知らなくてもこれだけでエモい。
もちきん:
楽しいね。
てんろー:
すごい、そうなんですよ。
もちきん:
新世界。
・・・
てんろー:
これで一時間経ちましたが。
Ya-1:
まあ、まだ話することが実はいっぱいあるんですよ。ジガルデの話とか。
もちきん:
Xyの話になっちゃう。
てんろー:
そうですね。今回は最初30分だいぶとっちらかって申し訳なかったと思うんですけど、最後30分は話も固まって流れもなんとなくあったんで、よかったんじゃないでしょうか。
3回目に会いましょう。
もちきん:
じゃあ今回はここで終了です。
てんろー・やいち:
お疲れ様でした。
・おまけ
約1年半後(2020年10月)に、改めてこのテーマについて分かりやすく話したラジオの書き起こしができました。ヒードランについてなど、ここでは話していなかった話も含まれているので、是非ご覧ください。
この記事は「Pokemon LEGENDSアルセウス」発売前に書かれたものです。
発売後に改めて解釈について考えた記事は、下記をご覧ください。
前編(~エンディング後ボス撃破までの内容の振り返り)は下記から、
後編(サブ任務94~全てのポケモンと出会うまで、ウォロとコギトの話など)は下記からご覧いただけます。
どちらの回も、非常に充実した内容になっていますので、是非お聴きください。
僕をフォローしてもあまり意味が無いので、
— 気分中一 (@kc1game) 2022年1月10日
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※この書き起こしは、(1/3くらい)Textaというサービスを使って作られました。