メニューへ

アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」感想まとめ(改)

 2023年冬アニメ、「お兄ちゃんはおしまい!」のtwitterなどに投稿した感想まとめです。

(以前にも記事を投稿しましたが、それに書いていた分も改めて書き直しました)

 

最初の感想

・絵とか全体的な雰囲気が凄く好みだったので見た。今ちょっとゲームを新しく始めにくい状態にあるとはいえ、俺が自主的にアニメを見始めるのはとても珍しい。

 

・漫画らしいと感じられる、デフォルメが強めの動きの表現とか、絵の雰囲気がそのまんまある感じのアニメってやっぱ良いよなー(まあこのアニメはリアルな動きの拘りもやばいが……)

 

・前のクールに見たぼざろも そういうデフォルメの表現がめちゃくちゃ凄くて、かつ、絵作り的にもストーリー的にも原作を尊重しつつ発展させた、という感じのアニメだったけど、それに続けてこれが流行ると、今後の漫画原作アニメ化の表現やクオリティに何かしらは影響与えるんじゃないかなあ。詳しくないけど。

 

・あらゆる画にトーンが貼ってある表現凄く良いよね。

漫画らしさのイデアなのか、明るい雰囲気の表現なのか分からないけど、でも、トーンに合わせて画面の端のほうが霞んでたりする場面は実際、すごいほんわかした漫画感があるよね。

 

・動きの描写の細かさの拘りがなんかもう怖い。

「ここは多分凄いんだろうけど、女子、あるいはこういうのをよく見てる人(?)にしか分からないんだろうな………」と思う描写のシーンも多々ある。細かすぎて伝わらない挙動シリーズ。

 

・原作1巻(単行本版)無料で読めたので読みました(アマプラなら無料で読める)。

台詞にふりがなが付いてるのがなんかちょっと面白い(別にこういう内容でも付いてることは珍しい訳では無いのは知ってるけど…)

 

・こう見ると、本当にああ、絵柄や動きがアニメと同じだーー!っていう感動がある。

まあ、実際には同じという訳ではなく、アニメでは皆の髪に影色が付いていたり、それ以外にも服の書き込みが細かくなったり、その他の表現も全体的にすごいリッチになってるんだけど、その綺麗な絵を「同じニュアンス」という風に見せるのって凄いよね。

(コミカルな)動きも、実際には漫画は動かないんだけど、同じだなーって思える。

 

・ストーリーはあまりカットされず、凄く原作を尊重してるんだけど、あらゆる情報量がアニメで増えてて、美しい補完だなと思う。ぼざろに近いタイプ。

 

・アニメ3話の脚本は綺麗だよね。アニメ化する意味、というか、メディアに関わらず、「同じ話を二度作る意味」って「こう」あってくれると嬉しいよなあと思う。

 

・原作、コマ割りとかが見やすい。とにかく漫画として物凄く視認性が良く、全体的に凄い。

ネットに投稿することを意識して、というのもあったのかもしれないけど本当に見やすかった。

 

・銭湯で髪を洗うシーンがアニメでああなったのはもう怖いよ(まあ他のシーンもだけど…)

いや、なんかもう、あれ、単なる癖(へき)とかの領域じゃないよね…

スタッフ、とても凄い。

 

原作は一巻とpixivのアニメ化部分しか見てないけど、ぶっちゃけぼざろアニメ並みにアニメ化というものに対して真摯だと思ってる

 

漫画も本当に、短いながらも起承転結が分かりやすく、コマも非常に見やすくて素晴らしい漫画なんだけど、そうはいっても、これを24分のアニメという媒体に昇華したアニメはあまりにも偉すぎたので、数年間あのクオリティのアニメが見れなくなるのは寂しすぎる

 

 

おにまいにおける まひろの変化のうち、より皆と仲良く話すようになったりとか、より みはりの事を気を使うようになったりとかは、TSしたからこそというのはあれど、それ自体が女の子らしさや男の子らしさな訳では無いと思うけれど(本人は兄の威厳だと言うこともあるけど)でも、それが良いんですよね

というかまあ、TSしてそれなりに早く、性格的にもああいう風に適応できるのは、やっぱりそもそも本来はそれに近い性格だったんだろうなと個人的には思ってます。それが周囲の影響で変わってしまったのがお兄ちゃんなんじゃないかな。

 

おにまいのこと、まあ、完全に固定観念が無ければ成り立たなくはあるけど、単純な固定観念のアンチテーゼ(というほど真面目かは分からないけど)だとは思ってる。

変なところが真面目な作品の話

・男子らしさ、女子らしさを題材にするのって、やっぱり、コメディとはいえ、というか、コメディ(楽しい話)だからこそ色々あるじゃん。

・そんな中で、おにまいは、全体的に、描写のえっちさ 的な意味では際どい作品ながらも、ある種の"変なところ"がちゃんとしてて、でも、やっぱ、"変なところ"がちゃんとしてる作品ってすごく好感持てるよなと思う。

・"変なところがちゃんとしてる"っていうのは、何か基準を設けて厳密にあれこれを決めてるとかじゃなくて、こう、自然な形で各スタッフや作者さんがやってる結果だと思うので、それってまあ理想だよな…って思う。

 

※そもそも性癖(趣味)の要素を多分に含んだお話なので、普通はストーリーを無理に倫理的に正しくする必要はない(と個人的には思ってる)のだけど、おにまいは、「お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなくなったことで兄妹の関係性が変わる」という縦軸があるから、それに沿ってると良いよね、という話。

劇伴の話

各種サブスク等でサウンドトラックが聞けます。

 

・おにまいBGM、まずライトモチーフ(同じメロディが複数の曲で使われる)を採用してるのがめちゃくちゃ良くて、都会舞台の日常系アニメだけど音を薄っぺらい感じにせず、ストリングス+ピアノ+木管で厚みがある曲で直球勝負してるのがもう既に良い。

でもやっぱり、何と言っても「お兄ちゃんはおしまい!」(曲名)(感動するシーンで流れる曲)をあれだけベタで素晴らしい曲にしたのが圧倒的に良くて…日常系コメディのメインテーマがあそこまでベタなこと、中々多くないのでは。

 

「はじめてのスポプラ」(曲名)、色々な日常を表すBGMにメロディーが使われていて、恐らくその基準となっている第二のメインテーマのような曲だけどめっちゃ曲名言いにくいな…

 

季節イベントのBGMにもメインテーマが入ってるの大好き侍です

このアニメでは「お正月」も「お兄ちゃんはおしまい!」のアレンジだったり、「旅館」が「はじめてのスポブラ(いつもの曲)」のアレンジだったりしてますね

まあ、それ以外にもライトモチーフ使いまくりなのでこれだけ特別というのはあまり無いけど。

 

季節イベントもそうだけど、「ロスクエの話!」とかの専用のアレンジ曲があるの、本当に音楽に割かれてるリソースが多くてすごいよね

 

(ここからはネタバレ感想です)

2話

最後のまひろが階段を下りてくる後のシーンの、アニメで追加された会話が無限に偉い回だなと思う。

 

原作でも、赤飯の後のシーンが単行本・同人誌で足されているけど、原作のそれはギャグ調の話なので、会話の内容はほぼ全てアニメの新規。

兄妹の関係性だったりとか、一話一話の話の内容のまとめを二人の会話を通して明るい雰囲気で表現できてるのがとても素敵。

この話に限ったことではないけど、みはりとまひろが最後に会話して終わる回のその雰囲気がこのアニメで一番好きだな。

3話

原作の話数でいうと、1話の中になんと(短い小数点の話数も含め)5つも接続している凄まじい回。

(かえでと出会う回/ショッピングモールに行く回/映画上映中におもらしする回/看病の回/単行本おまけ漫画のみはりの髪留めの秘密)

やはり、このアニメの中で一番アニメ脚本が素晴らしい回だったと思う。

 

何といっても、かえで登場と、みはりの看病という、本来は無関係な(大きく分けて)2つのエピソードを上手く繋げる技術が素晴らしい。

 

前半で、まひろがかえでに「お姉ちゃんらしさ」を感じるが、みはりの風邪をきっかけに改めて、自分が兄であることを思い出し(※)、妹のために奮闘するという自然な接続になっているのが良い。

(※)本人の台詞や、その時の意志的には、「兄の威厳を取り戻すため」という名目ではあるが、家族を看病することに本来はあんまり年上も年下もなく、ただ、相手のことを思っているかどうかが重要であり、今回の話では二人がお互いのことが好きだからこそこのようになったのだろうと個人的には思っている。
やはり、まひろは一度「お兄ちゃん」という立場で世間からも、自らからも影響を受け苦しんだ人なので、そういう意味で本当にお兄ちゃんになろうとは思っていないと解釈している。

 

注釈に書いたこととも重なるけど、かえでは、最初はある種、よくある感じの年上の女性らしさを発揮する(料理やメイク等が得意とか)けれど、それ以上に、まひろがかえでが優しく、話しやすい人であることを感じて仲良くなって、それがなんとなくだけど後半に繋がってる「ことにした」のかなって個人的には思ってる。

 

いやまあ…ちょっと超解釈かもしれないけど、どうかな……

 

最終的には、姉妹、兄妹の(まひろとみはりが考える)良い在り方っていうのは、どっちかがどっちかより優れていることや、諸々の世間で言われてるようなことよりもっと単純で、お互いに思いやって、もう少し仲良く一緒に暮らすこと…ということに、二人は少し気づいたのかなあ、と最後の方のモノローグや会話を見て自分は思った。

 

 

まあ、そんな難しいことを考えなくても、(この回に限ったことではないけど)感動する話の回は、やっぱりどうしても原作のweb漫画だと、じっくり味わうのには短すぎる気もするので、その話をしっかり24分かけてやろう、という風にした時点でめちゃくちゃ偉いと思う。

 

7話

twitterより)

アニメでは3話(原作の単行本おまけ)のクッキーも、みはりがかえでに教わったものなのが明言されてるけど、その回と合わせて見ると、なんかもう普通に泣きそうになっちゃう。

あと、普通にマジで「人生のやり直しの話」すぎるのでそこでも心にダメージを受けてしまった。

 

なんか…6話、7話はマジでストレートに「人生のやり直し」の話だよね………

原作でも一応そうではある(というか話の内容自体はあまりここら辺は原作から足されてない)んだけど、やっぱり24分アニメになってめちゃくちゃ縦軸が強調されてる感じがある。

強調しようとしてした、というよりは、単に話を3,4つ連結して24分っていう長い尺にしてるから、というのもあるとは思うけど……

 

いずれにせよ、かなり毎回のように兄妹関係の話や、まひろの価値観が変わったという話、そして人生のやり直しの話をきちんとやってくるので、その時点で割とぐっとくるものがある

(俺、コメディの中に縦軸を入れてくるのにめっちゃ弱いかもしれん)

 

アニメでの追加として、最初にみはりが紅茶とクッキーを出してくれるのが非常に美しい構成。

あと、男子との会話は、まひろはただ単にロスクエの話ができて嬉しくて近づいてて…っていう距離感バグった感じがいいよね。

 

ちなみに、amazon primeでは字幕付きでこのアニメを視聴できるのですが、ネームドのモブ生徒の名前が全部ちゃんと字幕に書かれてるので、誰がなんていう名前なのかちゃんと分かってとても凄いです。

12話

実は、原作では結構序盤の方(学校編直前)にある回なので、先にpixivで原作を見てしまっていた……

だから、次回予告を見た時点(というかまあ11話で温泉回をやらなかった時点で分かってはいたけど)でもう、ああ、そういう事なんだな、真面目にこれに向き合うんだな、と覚悟を決めていた。

 

結果は本当に予想通りに素晴らしいものをお出ししてくれた……というか、なんかもう、この回を最終回にします、と言われた時点で既に大分満足した感はあった。

 

(ふせったーより)

今までの回や、原作の元となった回に無かったような要素がめちゃくちゃ出てきた、という訳ではなかったけれど、それでも、大半の部分がアニメ独自の脚本という迫力があり、素晴らしい回でした。

あのアイキャッチからの、雪合戦の中での決断、そして最後のみはりとの会話は今までの12話を振り返るのに相応しいもので、最後めちゃくちゃしっとりしたエンドなのも、コメディではあるけれど縦に進んでいくお話があったこの作品らしい感じで、良かったです

原作(pixiv版)を最後まで読んだ

「まひろとMMORPG」の回、アニメで省かれた理由も、作者さんや原作ファンが好きな理由も両方なんとなく分かる感じで好き。

(作者さんのインタビューより)

www.pixivision.net

 

ここら辺そこまでTS要素無く学校生活が進んでいくなーと思ったらなゆたんが出てくるの、凄いけど本当に2期頼みます!!

 

どうしても一話が短いから、感動する回の感動とか、かわいい回のかわいさ、皆で遊ぶ回の楽しさみたいなところはアニメでものすごく増えてはいると思う

 

女の子になる薬をなゆたんが飲んだらああなるの、なんだか急に科学的で面白い。なゆたんに関しては今後もまだ動かしてきそう。2年目がまだ終わってないから、そこでどうなっていくか注目したい。

 

おにまい原作、なゆたんと千歳先輩が、出会いの衝撃的さの割にはまだ他キャラに比べてすごい役割や立ち位置が明確になってる訳ではないので、そこがどうなるか…という感じかなあ。そろそろ、1年(12話)以内くらいにはなゆたんの話が動くんじゃないかという気もするけど、どうだろう。

 

なゆたんはクラスメイトでありながら登場頻度自体があさひ達より少ないから、こう意図的に長めに溜めてるところもあると思う

 

まとめ

本当に素晴らしいアニメだったと思います。

 

不真面目なものを本当に、本当に真面目に作っており、時々真面目になるところはアニメ化でより一層楽しめ、感動できるようになったということで、原作からの飛躍としては理想のアニメ化といえるのではないでしょうか。

二期……見れるといいな……!

メニュー・記事一覧へ

※当ブログでは、ゲームのスクリーンショット等の著作物を使用する場合があります。それらの著作権は著作者に帰属します。
※当ブログを引用する際はURL又はサイト名を記載ください。ただし私は責任を負いません。