『妖怪ウォッチ』というゲーム、今では、この記事を見ている人の中にもかなり「小学生の時に遊んだよ!」という人もいるのではないかと思います。
しかし、私は発売当時には既に中学生になっていたためクラスでやっている人はおらず、少し興味はあったものの、そんなに年に何本もゲームを買える感じでも無かったため他のゲームを優先させており、そうしているうちに3DSからswitchの時代になってやる機会がありませんでした。
同じレベルファイブが開発した『レイトン教授』は小学生の時にやってすごく面白いゲームだと思ったし、『イナズマイレブン』は結構クラスでやっている人がいたので妖怪も面白いんだろうと思っていたのですが、いつかやりたいなあと言っているうちに10年が経過してしまいました…
そんなわけで、二十歳を過ぎてから妖怪ウォッチ2を初めてやった感想とか、好きなところを綴りたいと思います。
全体の感想
簡単にまとめると、とにかく今基準で順当にめちゃくちゃ面白いRPGです。
私がキッズコンテンツが好きだからとか、3DSのゲームとしては面白いとか、そういうのじゃなく、現代のコンテンツとしてみても全く問題なく普遍的に面白いゲームだったと思います。
ゲームに何を求めるかは人それぞれですが、やっぱり、ストーリーを進めていったり、キャラクターを操作したりするだけで面白い、楽しいと思えるのってかなり重要なことだと私は思います。
このゲームは非常にその面白さに忠実によくできている作品だったと思います。操作性が良い、バトルが楽しい、フィールドを探索するのが面白い、強い妖怪を探すのが面白い……
どれも、大昔からRPGやゲームというものに普遍的に存在している面白さですが、結局はそれが一番ゲームにとって大事なものだと思っています。
(ちなみにこのゲーム700円で買いましたが、今時700円でこんなに遊べる娯楽早々無いと思うのでマジでおすすめです)
町の作り込みやグラフィックが良すぎる話
このゲーム独自の良さで一番良いのって、まあ、やっぱりこれですよね。
画質や3D処理能力では現行機にかなり劣るはずの3DSの画面でフィールドを見ていても、(1画面に道路の向かい側が映らないレベルの表示範囲の狭さを除けば)ほとんど何の古さも感じない。
むしろ現行機のゲームよりも没入感や、フィールドのリアリティ、現実との近さを感じられる。これってとんでもなくすごいことな気がします。
まずはこれを見てください。(ゲーム内の画像ではありません)
https://youtu.be/VyKLQXOj0ts?si=oUOTZag8b9lPDwky
妖怪ウォッチといえばこれ、有名なようかい体操第一ですね。
妖怪ウォッチ2をクリアしてからこれを見たとき、私はこの背景に実家のような安心感を感じました。
この映像、HD化はされていますが、背景も3Dモデルも、非常にゲーム内のものに忠実な質感で作られています。
そして、この背景はこのゲームで最も頻繁に見る戦闘背景です。
このクオリティの戦闘背景が3DSのRPGとしてはかなり膨大な数用意されているのですが、妖怪ウォッチは、このデフォルメされていながらも非常にリアリティがあり、どこか自分が住んでいる町に似ている気がしそうな、現代の町が舞台のゲームとなっています。
そして、本当にすごいのは主人公が歩き回るフィールドのグラフィックでしょう。
これに関しては、好きなところのスクショをたくさん撮ったので見てください。
初めて自由に操作できるようになったときに撮ったスクショ。もう既にかなりグラフィックに感動していました。
こういう街並みのリアルさって、小物を使って「汚い部分や裏側を見せる」ことでリアリティを出すゲームが多い気がするんですが、このゲームで最も頻繁に見る「さくらニュータウン」は、そこら辺の日常系アニメの舞台よりも立派に建物も道路も整備された、「理想のニュータウンのイデア」なのであまりそういう場所は無いんですよね。(路地裏とかに入ればあるけど)
もう現実に存在しないレベルの綺麗な町なんですが、それでもすごく現実感があるのは中々すごいと思います。
こんなに綺麗なところではなかったですが、小学校の雰囲気懐かしすぎて感動しますね……
「現実」の表現がすごすぎるよこのゲーム……
田舎あるあるの「田んぼにあるよく分からない地元の信仰の像」があるのめっちゃ良いですよね。
「ぶんこう」って分校か…と思ったスクショ
こういうの見るとやっぱり現行機のゲームよりリアルだよな、と感じるんですが、何がそうさせてるんでしょうか…
いや「田舎の町内会の集会所」のリアリティ高すぎだろ!!!(行ったことあるので分かる)
ちゃんとテーブルが畳んであったり、座布団が積んであったりする細かさも良い。
注意書き好き。
スーパー銭湯がここまでリアルなゲームは初めて見ました。
このゲームで初めて洞窟風呂っていうのを知りました。勉強になるね。
すごすぎる細かさ。
でも、こういう小さいおもちゃ屋って今早々無いですよね…
グラフィックに関しては、これらのスクリーンショットで結構伝わったのではないかと思います。
ですが、このゲームの良さはやっぱり、これらのフィールドが遊びの面でも探索していてとても楽しく作られているところです。
このゲームで、妖怪とのシンボルエンカウントが発生する"ダンジョン"は完全にこれらのフィールドと地続きになっています。
たとえば下のフィールド、一見すると何もありませんが「搬入口」に実は入ることができます。
中に入ると、そのまま「うんぱん通路」というミニダンジョンになっています。
入ると画面が暗転し、BGMも変わるので、システム的には今のオープンワールドゲームのようなシームレスさでは無いですが、これだけ世界に連続性が感じられると、もう気持ちとか没入感の面では、それに全く劣らない体験だよなあと思います。
「うんぱん通路」の他には廃屋や路地裏、商店街の細道、田舎の古い民家が並ぶ道などがダンジョンになっているのですが、いずれも自然にフィールドと接続されていて、私たちにとってもとても身近に感じられるような場所が舞台なのがとても良いと思います。
妖怪ウォッチ2発売前の、レベルファイブ社長の日野さんへのインタビュー記事に、2の展望について「子どもの世界のオープンワールドを作ろう」ということを目指している、という発言があるのですが、まさにその通りのゲームだし、すごく好きな言葉だなあと思います。
――早くもゲーム第2弾を発表されたのには、本当に驚きました。まず、どんな作品になるのかを教えてください。
日野 1作目の『妖怪ウォッチ』では、まだまだ完成形ではないというか、やり切れなかった部分もあったんです。それは、“子どもの世界のオープンワールドを作ろう”ということ。ひとつの街を遊び場にして、いろいろなことができるように、ということを目指して作ってきたのですが、『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』(以下、『2』)では、それが完成型になります。それをぜひ見ていただきたいと思っています。
https://www.famitsu.com/news/201404/21051460.html
本当の意味でのオープンワールドではないけど、子どもの視点で小学校の校区くらいの広さの町+電車に乗った先にあるその他のいくつかの町を隅々まで冒険して、その中で色々な遊びができれば、それはRPGの"冒険"の舞台にふさわしいし、没入感の意味ではオープンワールドといえますよね。
今やドラえもんの世界はリアルな実体験と結びつくものではなくなって、ゲーム界でも、ポケモンも(ポケモンの独自の世界観が確立されて世の中に定着したり、色々な作品で模倣されてきたが故に)ゲームの世界そのものが特別現実に似たもの、とは言えなくなった時代の中で、改めて「現代が舞台のRPGを作る」ということに大変熱心な作品でした。
妖怪ウォッチは最初からメディアミックスを想定して作られたそうですが、その中で「フィールドを探索する楽しさ」という、ゲームで表現するのに明確にメリットがある要素がゲームに入っているというのが良いなと思います。
どんなにアニメで背景を細かく描いても、ゲームを遊んでフィールドを探索するのとはリアリティの感じ方が違いますからね。
レイトン教授もそうでしたが、レベルファイブは「ゲームでしかできない面白さ」を表現して、ゲームを初めて遊ぶような人たちに伝えるのにかなり熱心だなと思います。
ここまででpart1は終わりです。part2以降では、ストーリーの話とか、より細かい好きなところの話とかをしたいと思います。