2023年4月14日、遂にアニメ「ポケットモンスター」の新シリーズ(呼び方はポケットモンスター(2023)、リコロイ、ホライズンズ、など…)が始まりました。
この記事では、1話(一時間SP)があまりにも最高だったので、twitterに書いた感想などをまとめてブログに載せたいと思います。
あと、それから最後にちょっと真面目な解釈を書きました。
毎回このアニメがこれくらい面白かったら、毎週やるかもしれません……
一話はここから見れます。今すぐ見てね!!
サムネ用
この記事は、URLもしくはサイト名を明記して頂ければ、自由に内容の掲載、収入があるまとめサイト・検索サイト等へのリンクの掲載、及び、その他の著作権法上の「引用」と認められる範囲の利用が可能です。あらゆる許可は必要ありません。ただし筆者は一切の責任を負いません。具体的な条件はこちら(外部サイト)。
前編
いきなりリコが人見知りな描写と、それに伴った長尺の独白から始まりました。
人見知りだったり、内向的な人を主人公に据えるのは現代のコンテンツという感じがしますが、意外とポケモンでここまでリアル調な雰囲気でやった事は今まで無かった!!
新無印(2019年~2023のアニメ、以下「前作」)では、ポケモンが好きだけど友達がいなかったゴウ、ポケモンに興味が無かったコハルの成長を描いていて、それも、内向的だったり、今までポケモン世界の人物像として描かれなかったキャラではあったのですが、それよりも更により一層リアル調で新しい感じになったなと思いました。
ゲームでは主人公って自分自身だし、キャラクターとしての「世界のどこかにいる一人のポケモントレーナーの成長」を描きやすいのはアニメなのかもしれません。ユメノツボミもそれに非常に近いものが描かれていて、その系譜も感じます。
【ポケモン公式】アニメ「ユメノツボミ」-ポケモン Kids TV【POKÉTOON】 - YouTube
………と思ったら、ユメノツボミの脚本の方がシナリオコーディネーターとして参加されてるらしいです。
webアニメがめっちゃよかったよ、っていう声がちゃんと届いて生かされてるのは本当に嬉しいですね。
キャリーバッグをワンリキーが運んでくれる描写。開幕から質感が高くてめちゃくちゃ良いですよね……
感謝されるワンリキーを初めて見ました。
リコがカントー地方のポケモンに感動するの、めちゃくちゃ良い。
私たちやサトシにとってはかなり見慣れた光景ですが、パルデア出身の人が感動する描写は良いですよね。
ルームメイトのアン。
テンプレ的なキャラではあるけど、この人も意外とポケモンではあんまり居なかった感じがします。
しばらくは出てこなさそうだけど、また出てきたら嬉しいな……
(というか学園編を一杯やってほしい…切実に……)
ポケモンと一緒にいる人たちの描写がめちゃくちゃ細かい1シーン。
前作が終わったとき、ポケモンと一緒に生活する人の描写は新作でもあったらいいな、と思っていましたが、前作よりもさらに濃いものが見られた感じがします。
オンライン面談で、先生が最初のパートナーを決めるシステム。
ここの場面の独白は、リコがポケモン自体は凄く好きなのが感じられて、良いなと思います。
「ポケットモンスター、ちぢめてポケモン」のくだりがここで先生の台詞として出てくる。
冒頭じゃなくて、ここで出てくるのが良いですよね。
もう本当に、そのことが当たり前になっている、というのが視聴者にも、世界にも浸透してる感じがあります。
最近ではゲームでも、物語の一部として、博士以外の人がこのくだりを言うようになっていますが、それと同じものを感じました。
ここ、一人一人ポケモンとの接し方が違うのがめちゃくちゃ良いカットです。
本当に細かい。
ニャオハと、最初の出会いは上手くいかなかったリコ。こういうの、良いよねやっぱ……
ゲームの主人公(自分)のように、上手くいってすぐポケモンと仲良くなる人だけじゃないというのが実在性なので…
御三家同士のバトル(しかもタイプ相性が有利な方)、というのはゲーム的には(近年の作品では)負けることがないチュートリアルのバトルなので、そこで負けてしまうというのもなんかこう、本当に独立して一人のトレーナーの旅立ちを描いた感じで好きです。
そして、リコは「何考えてるのか分からない」ニャオハと、自分自身が似ているんじゃないかと感じます。
いやー、凄いですねこれ。
前作では、将来のことが決まっていないコハルと、沢山の進化の道(と進化しない道)があるイーブイを組み合わせて、二人が一緒に未来のことを考える……というのをやっていましたが、それより更に3段階くらい進化した表現だと思います。
イーブイは元々そのような特徴を持つポケモンだけど、別に、どんなポケモンでも性格の共通点とかを表現できるよね、というのも良いし、コハル以上に現実的(リアル調)な課題(挑戦、テーマ)に向き合ってる感じも良いなと思います。
(※動く前にあれこれ考えるリコと、気まぐれに動き回るニャオハは、似た者同士でありながら違う性質も持ったキャラとして描かれていますが、それもまた良いですよね(後半ではそれがリコが踏み出すことに繋がってるし)。)
夜間警備をかわして秘密の特訓をしてるリコ、意外とワイルドで好き。
アンが(親に)ミジュマル紹介しなきゃ、って言うの、良い
後編
きっと、ニャオハと一緒だったから踏み出せた、と言うの、やっぱり良いですよね、「ポケットモンスター」のアニメなので…
そして話は急に劇場版みたいな展開に。
劇場版を数年くらいマジで見ることができなかったので、これも割と嬉しかったですね、でも……
なんかすごいメカが出てきて敵に追われる部分もそうだけど、ちゃんと主人公が等身大で冒険してる質感も、凄く劇場版でよかったです。
これも凄く良かった。
飛行船の中でも、ポケモン達が一緒にいる描写がたくさんあるのが良いですよね。
「物語のヒロインですか!?」、本当にポケモン語彙。
飛行船のポケモン達を思って戦いをやめさせようとするリコにニャオハが異を唱えるシーン。
そしてバトルフィールドに立った時にメインテーマが流れました。
なんだかんだでやっぱり1話で一番好きかなあと思います。
何もかも、全てが上手く行くわけじゃないけど、でも「出会うこと」、それだけで何かが変わるかもしれない、ポケモンと一緒にいれば何かが起こるかもしれない、立ち上がれば新しい未来があるかもしれない、というのは凄いベタではあるけど、「ポケットモンスター」らしい話なので、それがトレーナーになったばかりの人を通して描かれるのは大変良かったです。
ニャオハの目線からカメラが上がっていくのもとても良い。
何故、ラストのリコの考えは(メッセージ性的に)否定されたのか?
ここは解釈のコーナーです。
1話のラストでは、リコは、他のポケモン達(や恐らくニャオハ)を巻き込んでしまっていることを強く意識し、実際の被害が及ぶ前に、自分が犠牲になることで戦いを止めてもらうことを提案します。
しかし、ニャオハに異を唱えられ、最終的にはニャオハといっしょにバトルフィールドに立つことになります。
その時の台詞(リコは"自分の気持ちにウソをついていた")や話の展開からすると、この出来事は、ただ単に、たまたまポケモンと人の気持ちが違ったということを描写した訳ではなく、ストーリーとして間接的に、ここでリコが投降しようとしたことを否定しているといえると思います。
(そして、ただ単に「諦めない方が良い」とかいう話でも無いと思います。)
自分もこれは何でかなー、っていうのは、しばらく、全く分からないわけではないけど、上手く言語化できずにいました。
リコは、理論的に、深く考え、ポケモン達に対してとても心優しい気持ちを持っていたからこそ、あの行動に至ったのでしょう。
それは、考え方の一つとしてはそんなに否定されるほどのものでは無いように見えます。
ですが、その一方で強調されている要素としては、リコは他者との関わり(影響を与え合うこと)を避けているという面があると思います。
彼女は、最初にアメジオが船に侵入してきた時も、すぐにポケモン達を気にかけて諦めました。
勿論自分で立ち向かって勝ち目がありそうな相手ではありませんが、(フリードも怪しいとはいえ)誰かに相談する事も無く、すぐにです。
フリードが助けに来た時の、「また助けられた、どうして?」っていう台詞も大体そんな表現なのかなと思います。
他者と関わらない、助け合わないということが、今回のお話で否定したかったことで、ポケモンが一緒にいれば壊せること、という風にしたかったのかなと自分は思いました。
総評
今や、ずっと旅を続けてて、沢山の人やポケモンとすぐに仲良くなることができるサトシ。
必ずしもそうではない、それ以外のトレーナーや、ポケモンと関わる人たちを題材にしたお話も見てみたい…あの世界の色々な人たちのドラマを見てみたいという夢は、これまでにも、いくつかのwebアニメや、名探偵ピカチュウの映画などの媒体で、少しずつ表現されるようになってきました。(アニポケや劇場版の中でも、そのような人物が登場する回などは大きく増えました。)
ですが、それが今回は遂にアニポケという、ポケモンの顔の一つともいえる媒体のメインストーリーとして実現したので、今までにない未知の試みということで本当にワクワクしています。
人見知り主人公とか、そういうの割と好きなのはありますが、でも一番は「新しいトレーナーの物語が見れる」というところです。
そして、一話では、ポケモン達が暮らす世界の描写が前作以上と思われる濃さだった事と、一番盛り上がるところがちゃんとポケットモンスターらしい展開だったのが良かったです。
今後も毎回このアニメがこれくらい面白かったら、毎回感想文を書くかもしれません。さすがにこんなに長くはならないと思うけど。
それでは。