皆さんはゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドというゲームを知っているでしょうか。まあ、switchを買ったら必須のゲーム、アクションゲームの歴史を変えたゲーム、永遠に終わらないゲーム……と様々なところで色々な記事が書かれてた作品なので、知らない人はあまり多くはないでしょう。もし、どんなゲームなのかあまり知らない!という人がいたら、まずは是非この動画を見てからこの記事を読んでください。
発売からもう3年が経つゲームなのですが、今でもtwitterでは各種界隈が賑わい、売れ続け、ゼルダシリーズでも圧倒的な評価を受けています。
そんな訳で、基本的なこのゲームの魅力みたいな話は大体既にされているので、今回はちょっとマニアックだけど僕が特に好きで、あと他ゲームのオタクとかにも勧められそうな要素を紹介していきます。
ちなみにこの記事は基本的にシナリオとかのネタバレ無しです。(発売前情報や開始10分で分かる話とかの範囲)
前編では、このゲームの「ウツシエ」の要素と、そこから見える自然環境の美しさについて書きます。
・ウツシエのこと
このゲームをある程度進めると、主人公リンクが持つ端末に「ウツシエ」の機能が加わります。写真を撮って保存する、要するにカメラですね。でも、これにはもう一つ役割があって、何と魔物や動物、素材などを撮影すると、その情報を記録することができるのです。そして、それを集める図鑑までしっかり用意されています。
かなり種類があって動物83種*1、魔物78種*2、その他素材や武器などが224種で計385種あります。
まあこれ、見ての通りポケモン図鑑のような形なんですが、写真を撮って図鑑を埋めるというおまけ要素はかなりこのゲームにかみ合ったものになっていると思います。
意外と結構近寄らないと判定されないものも多いので、逃げやすい生きものを撮る時は音がしにくい装備を着たり、特定の天気でしか見かけない生きものを探したり……
あるいは、図鑑を集めようと思っていなくても、遠くから見て「あの生きものなんだろう!」っていうのを見つけてウツシエを開くなど色々な活用方法もある遊びになっています。
記事用 pic.twitter.com/lZS7fV92IH
— 気分中一 (@kc1game) 2020年6月4日
これができるのは、このゲームが本当に多彩な自然の風景を再現していて、それらが作り込まれているからだと思います。
これって、一見するとゲームそのものの面白さには関係ないようですが、ただここまで作り込まれているとそれを見ること自体が楽しめるものになってくるんですよね。
グラフィックはいわゆる完全なフォトリアルではないものの、むしろそのようなグラよりも自然の美しさを上手く切り取っているとも言われています。
あまり長い言葉で語るのは難しかったので、次の項目では自分が好きな動物の写真を簡単に解説しながら流していきます。
・動物たちの様子
このゲームで最も多く見られる動物の一つ、サギです。やや乾燥した場所から水が豊富な場所まで、至る所に生息しています。*3このゲームでは100年前に一度滅び、荒廃した世界を冒険することになるんですが、荒廃して人が居なくなったところに水鳥が多く渡ってくるのって結構リアルなんですよね…*4実際に、このゲームでは頻繁に空に渡り鳥が飛んでいる様子を見ることができます。
これ、ちゃんとV字隊列を成して飛んでるのが偉いんですよね。(※大型の渡り鳥が飛ぶ際によく見られる隊形。Vの先端のほうが前)遠景にしか出ないから中々よく観察できないんですが、大きさなどから見ると、これも少なくとも水鳥のような鳥なのは確かなようです。
— 気分中一 (@kc1game) 2020年6月4日
上は、動物にエサを与えたときの動画です。この他の動物もそれぞれエサに反応してくれるのですが、どれも挙動が非常に凝ってるなと感じます。
これは、雪山にいる時稀に出現するクマです。撮影するために自分から頑張って
探したのですが、やっぱり探索中にこれに不意に遭遇するのは本当に怖いです。
一度見つかってしまうと、基本的には逃げるか倒すかの二択になってしまうので、かなり緊張します。絶妙な出現率の低さも本当にリアルな感じで好きです。
— 気分中一 (@kc1game) 2020年6月5日
このカエルは、池に「電気の矢」を放ってしびれさせた後に撮影したものです。
よく見ると、ちゃんとピクピクしているのが分かります。カエルはこのゲームに二種類いるのですが、モーションも少しずつ違うので比べてみるとより楽しいです。
他にも、このゲームには様々な生き物がいます。連続した世界で自然な形で様々な地方の動物を見られるのはとても面白いです。
また、今回はあまり紹介できませんでしたが魔物にもすごく沢山の行動パターンがあって、こちらも楽しいものとなっています。
・環境の美しさについて
このゲームでは、冒険する環境そのものも非常によく作られています。公式サイトに載ってる感想ページに「映像と音と体験が融合した芸術」というコメントがあるのですが*5、その通り、ただ奇麗というだけではなく、ゲームの世界が自然に感じられるようにプレイヤーの行動に沿って、足音、環境音、BGM、エフェクトなどが様々に変化していきます。
ゲームには雪山、広大な平原、砂漠、火山、熱帯雨林などが登場するのですが、それぞれの環境のそれぞれの要素を説明することはできないのでこの記事では「雪の表現の素晴らしさ」について話します。
既にこのゲームをプレイした方もあまり知らないこともあると思うので、是非読んでください。
・botwの雪の素晴らしさ
ええとまず、自分は北海道にずっと住んでいるので毎年冬には雪が深く積もる中生活しているのですが、このゲームの雪は100点満点の表現と言っていいのではないでしょうか。
簡単に言えば、雪の表現が繊細で、パターンがものすごく多いんですね。まずはこの動画を見てください。
かなり画質が劣化してるので奇麗さが分かりにくくなっているのですが、リンクが前に進んでいく動きに合わせて、(画面を見て)手前の方の雪がこちらに向かってくるように見えます。これを正確に表現するのはかなり難しいことだと思います。*6
あと、一応動画の後半の方では、雪の降り方が異なるエリアに移動して、少し穏やかになっています(実機だと背景のエフェクトも微妙に変わってるのが分かる)。
そして、高所での雪の視界の悪さが凄くリアル。実機ではもっと奇麗な霧がかかった感じになってるのですが、とにかく、視界が悪い時白ではなくて、若干緑がかった色になるところとか(流石にこんなに緑にはならないけど)相当研究を重ねて作られたと思われます。
イメージはこれ。
次に、同じ場所で半日くらい雪が降り続ける様子を眺めてスクショを撮ったものがあるので見てください。
まずは3時頃。雪の降り方にしてはちょっと暗すぎる気はしますが、まあ高所とか、山に囲まれた場所ならこういう事もあるでしょう。先ほどと同じくやや緑がかった色になっています。
次に5時頃。空が暗くなって、あと日が沈む頃なので、雪の色は少し温かみがある感じになっていますね………って細かすぎだろ。
これどうやって表現してるんですかね?夕方で天気が悪い日の表現としてはかなり正確だと思うのですが、雪に太陽光の反射のパラメーターを設定してなんかやってるんでしょうか。
これは夜中1時頃、雪は降り続き、空は暗くなったものの霧が晴れた状態ですね。いわゆる雪というと、こういう表現が多い*7のですが、ここまでの流れを踏まえるとかなり空気感に説得力があります。
そして朝。夕方に比べると空気が澄んでるけど、まだちょっと天気が悪い、そんな感じです。
他にも20枚くらい間の時間に画像を撮ったのですが、今回は分かりやすい写真を主に紹介しました。ゲームを既に持っている人は是非自分で眺めてみてください。
最後に、晴れた時の様子を紹介します。
うーん、反射の美しさの再現度が高すぎる。
雪は白いので、朝とかに晴れてるとかなり地面が眩しくなります。
まあ、イメージ画像をあげればこういうの↓なんですが、このゲームのグラフィックは、光の反射をちょっと大げさに表現してるからこそ空気感にリアリティが出てる感じがしますね。
・おわりに
今回はずいぶんと長々と語った記事になってしまいましたが、後編はしっかり読み応えのある形になる予定ですのでお楽しみください。「何もない場所の美しさ」の話になると思います。
最後に改めてまとめると、ゲームというものの長所の一つは、プレイヤーの行動によって何かを体験できることだと思います。botwは、自然環境という一見背景に近いものにおいても、その長所を生かした体験をとても高いクオリティで与えてくれるゲームだと思います。
それでは!
・おすすめコンテンツ
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド | Nintendo Switch / Wii U | Nintendo
依頼を受けて、動物に餌を与えてみた【猪、牛、狼、狐 編】(ドリルカラマリ* ゲーム動画ch *)
・注釈
*1:図鑑専用のテキストがある動物は47種。それ以外は料理素材などとして使われる虫や魚など。
*3:乾燥した場所にはアオハサギ、湿気がある場所にはモモイロサギが生息すると書かれていますが、実際には両方同時に見かけることも多々あります。具体的に生息地がどういう風になってるのかは誰か調べて欲しいです。
*4:
Why North Korea is a safe haven for birds - BBC News
*5:https://www.nintendo.co.jp/zelda/voice/06.html
*6:雪の動きでいえば、この動画https://youtu.be/pbfqke3N22Yの方が分かりやすいと思います。ただ、これは(視野が広い)デモのカメラなのに、画面上の全ての雪が凄く明確に動いていて、厳密に言えば嘘つきな表現ですね。
*7:実際、写真素材を調べると吹雪でも、わざわざ視界が悪い時に撮った写真は多くないんです。